設計監理24nzu
20240405 桜の開花宣言のあった上越高田城址公園のほど近くにある、Uさんの家に被災調査(このたびの令和6年能登半島地震により、被災された方々ならびにそのご家族の方に心よりお見舞い申し上げます、被災地の1日も早い復旧・復興と、被災された方々に平穏な生活が戻りますことをお祈り申し上げます)に行ってきました。実際に被害箇所をどのように補修するかということを見極めるために、棟梁さんとUさんご夫妻と主屋と土蔵を隈なく見ながら相談させていただきました。一番心配された基礎(地盤の液状化による不同沈下、他)と太い柱と梁により構成された軸部はほぼ無傷でした。暴れ川「関川」の傍で繰り返されてきた水害の心配のないよう、再生工事では高基礎で計画、耐圧盤の厚さを確保しD13@200ダブル配筋、地中梁の底部主筋をD16×2本で設計し施工しました、また、白ミカゲ石土台パッキン@900が地震力に対し功を奏してくれました、軸部仕口継手の損傷も確認されませんでした、左官仕上の聚楽壁面の隅部の若干の割れを補修する程度で済みそうです、上座敷床構えの聚楽塗(聚楽土の代替品)の色を修理の際に、現状よりも濃い色「九条(カタログ京壁)」に決定しました、また、間取り中央にある「オエ」の吹き抜けにある太い梁は、後の補修で「塗装屋さんが艶をつけ過ぎて塗ってしまったのを直したい」との奥様の希望があり、拭き漆で仕上げることにしました、近年、省エネ・耐震の上位基準の要望、建材の値段や労務費の高騰等により、地方でも30坪未満の平屋建てが90万円/坪を超える時代、3千万円で土地付のマイホームを持つ神話は過去のものになりつつあります、そんな時代に、ケヤキやヒノキの材木、左官と拭き漆仕上にて被災した古建築を再再生、修繕できることは本当に恵まれた現場だとしみじみ思いました、お施主道を極めたUさん(庭仕事、陶芸、古材古建具収集)と棟梁さん(ケヤキ材のストックはいくらでもある)のお話しで有意義な時間を過ごすことができました
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